
創業メンバー3名が語る、BLAMの「原点」と「第二創業期」。なぜマーケティング×複業という領域に特化したのか、そしてIPOを見据えた今、何を目指すのか? 代表取締役の杉生さん、取締役副代表の木村さん、取締役の浅川さんに、会社の立ち上げから国内最大級へと成長した軌跡、「PjTOマーケティング」という新たな挑戦、そして次の時代に向けてBLAMが果たすべき役割と覚悟まで、本音で語っていただきました。
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■プロフィール
杉生 遊|株式会社BLAM 代表取締役
2013年株式会社オプトに入社後、オプトとCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)のジョイントベンチャーである株式会社Platform IDへ出向し、営業に従事。 2015年BLAM設立。即戦力のマーケティング人材をつなぐ「カイコク」・PjTOマーケティングなど複数の事業を展開し、組織を急成長へ導く。
木村 和哉|株式会社BLAM 取締役副代表
2013年株式会社オプトに入社後、DSPやADNWを主軸としたトレーディングデスク事業を営むエスワンオーインタラクティブへ出向。 2015年にBLAMを設立。2020年にグループ会社である株式会社Senri代表取締役として、Senri(現カイコクテラコヤ)の事業立ち上げを経て、現在はPjTOマーケティングを用いた顧客のマーケティング支援も従事。
浅川 達郎|株式会社BLAM 取締役
2013年株式会社オプトに入社、運用型広告のコンサルとして従事。2015年BLAMの創業に携わり、現在、国内最大級のマーケティング特化型複業マッチングサービス「カイコク」・PjTOマーケティングを行うBLAMの取締役COOとしてコーポレートを中心に責任を持つ。
杉生: 原点で言うと、実は2015年〜2016年頃にいくつもの事業計画を出していて、その中で2人からの反応が一番良かったのが「仮想起業」という名前の事業計画でした。それがカイコクの前身です。
当時はまだ「複業(※)」という言葉の感覚というよりも、「働きながら別の仕事や別の会社を持てる」「仲間もそのプラットフォームで探せる」というサービスの構想でした。
その頃から言っていたのが、「1人の人が1社だけで働く時代は絶対に終わる」ということ。さらに言うと、大企業の数が今後減っていくとも予測していました。M&Aが活発化して、いわゆる今の大企業が超メガ企業に買収されていき、本当の意味でのメガ大企業は増えるけれど、今言われている大企業の総数は減っていく。実際、約10年経った今、まさにそうなっています。
そういう時代になったとき、「1社に依存し続ける」ことがリスクになる、という話をしていました。そうした議論をしていた半年〜1年後ぐらいに、政府の方針として副業解禁の流れが来たので、「今がそのタイミングだ」と確信して、一気に立ち上げに動いていきました。
当時の立ち上げでは、私が営業アポを取って外回りをしながら、既存事業の数字を守る部分は木村が担ってくれていました。
浅川: 杉生さんが言っていた仮想起業の構想はずっとあって、副業解禁のタイミングが来た時に「ラッキーだな」という話になりましたね。フリーランスも含めた広い設計も考えていたんですが、一度「複業に絞ろう」と決めたのが結果的に良かったと思います。
木村さんを含めて少人数のメンバーとインターンで、既存事業のキャッシュエンジンを守りながらの立ち上げで、木村さんはかなり大変だったと思います。
木村: 当時のチャットツールを今見返していたんですが、広告運用の対応やレポートのやり取りが本当にびっしり残っていて(笑)。ツールも今ほどなかった時代に、まさにそこに全力を注いでいましたね。
杉生: あと「複業に絞る」と同時に「マーケティング領域に絞る」という議論もしましたよね。当時、先行していたサービスは幅広い職種を対象にしていたり、バックオフィス系に特化していたりで、私たちは「自分たちのアセットがある領域、つまりマーケティングで小さくていいから一番を取りに行こう」という判断をしました。
結果として5年後ぐらいに出た調査データでも、マーケティング領域が最も複業人材を必要としている職種として圧倒的トップだったんですよね。狙いも良かったと思いますが、時代の後押しもかなり受けました。
浅川: 当時は「マーケティング×複業なんて規模が小さくて大きくならないよ」と言われていた領域でした。複業だと1人あたりの稼働時間が20〜30時間で、フリーランスの160時間とは全然違いますし、さらにマーケティングに特化となると対象はさらに絞られます。それでも私たちには、このニッチな領域をしっかり取れるという確信があって、市場が伸びていく前提で見れば十分大きなビジネスになると思っていたんです。
※「副業」は“本業のサブ”というニュアンスがあります。一方でBLAMでは、複数の仕事や役割を並列で持ち、それぞれに主体的に価値を発揮する働き方を理想としているため、“本業が複数ある”という考え方を込めて「複業(パラレルワーカー)」と表現しています。
(▼創業当初の木村さん・杉生さん・浅川さん)

杉生: 一番の脅威に感じていたのは、立ち上げから1年後に大手人材企業が出してきた複業マッチングサービスでした。私たちも「本格参入されたらまずいのでは」と当然考えていました。
ただ、あるビジネスマッチングの場でそのサービスの事業責任者と話す機会があって、聞いてみたら思ったよりうまくいっていないことが分かりました。理由は明確で、「マーケティング領域のマッチングは、マーケティングの現場経験がある人間でないと正しいマッチングができない」ということ。お客さまが何に困っているかを要素分解できないから、どんな人を紹介すべきかさえ分からない、と。その後1年以内に撤退が決まっていると聞きました。
これは最初の話に繋がるんですが、私たちが「得意なアセットがあるマーケティング領域に絞った」からこそ、どんな相談でも「つまりこういうことで、これが必要ですよね」という提案ができる。このマッチング精度が圧倒的に高かったことが、市場を築くまでの過程でBLAMにしかできなかった部分だったと思います。
浅川: あとは、短期の利益を追うなら完全手作業のエージェントモデルで良かったんですが、「この先にやりたいことがある」という構想があったからこそ、かなり早い段階で内製でシステムを作ったんですよね。データを貯めること、ノウハウを貯めること、マッチング精度を上げることを見据えて。当時、先行していたサービスですら裏側はアナログだった中で、そこにコストをかけたのはかなり大きかったと思います。
杉生: 「もっとテストしてからの方がいいんじゃないか」とも言われましたよね。でも、外部からの株式での資金調達をしないというこだわりが結果的にすごく効いていると思っていて。エクイティ調達している会社はそのプロダクトで結果を出し続けないといけない時間的制約があります。マッチング数やアクティブユーザー数を常に上げ続けて投資家に説明し続けなければならない構造の中で、「売上を落としてでもマーケティング領域に特化してちゃんと利益を上げる」という選択ができないんです。私たちは売上を短期的に落としてもしっかりと利益が出る構造を作ることをやったから今があります。大手企業でも、マーケターを大量採用してマッチング事業をやればいいようなものですが、全社で見た時に「そんな小さな市場に投資できない」となります。資本合理性への逆張りが、私たちの武器でした。
浅川: 国内でトップを取ったという手応えがある中で、次のフェーズとして「PjTOマーケティング(カイコクメンバーをはじめとする外部人材を起用し、企業のマーケティングプロジェクトチームを流動的に組成するご支援を行うこと)」を1年ほど前から本格的に始めました。お客さまのニーズがしっかりあることが分かってきて、マーケティングの新しい手法として提示できている実感があります。これをマーケティング業界全体に浸透させていくのが次のフェーズです。そのためにマーケティングプロデューサーやディレクターといった職種が必要で、今まであまりなかったポジションでもあります。そういう意味合いを込めて「第二創業期」と掲げています。
杉生: あとは、IPOを目指している会社にとって、上場前に入った人と後に入った人は後々分けて語られることが多いです。そういう意味でも「創業期」というワードが使える最後のタイミングという意味合いも、正直あります。
木村: 「お金では買えない経験」というのを僕はすごく重視していて、3人でIPOを目指そうと決めた時もそこが根底にありました。今、M&Aで売却してしまう会社が増えていて、IPOを本気で目指している会社ってかなりレアになってきているんですよね。そのタイミングで関われることは、純粋に貴重な経験だと思っています。
浅川: 別の観点で言うと、AIがものすごく進化しているこのタイミングで、50人規模のこの会社というのはすごくいい条件が揃っていると思うんです。強みがあって、それをAIで加速的に伸ばせる環境。大企業だとセキュリティの問題などでスピーディーに動けない。強みを持ちながら最もスピーディーに動ける規模感のタイミングというのは、今が一番だと思っています。
杉生: このフェーズだと、1人1人の存在感がしっかり組織に影響します。誰かが抜けたら影響が出るからこそ、カバーをし合うチームワークも機能します。そういう経験ができる時期は、もうあとわずかかもしれません。IPOに向かう過程でしか経験できないミッションを担うということは、なかなか貴重なことだと思います。

杉生: まず直近の話で言うと、2040年までに生産年齢(15〜64歳)人口が約1,300万人減少すると言われています。マーケティング領域はその代替手段が特に限られている分野で、PjTOマーケティングという手法を当たり前にしていくことが、マーケティング市場全体を支えることにつながります。マーケティングはあらゆるビジネスに必要な領域ですから、日本経済全体を支えるインフラになるという意味で、私たちは市場の1位を取るというより、市場全体を引き上げる土台になりたいと思っています。
さらにその先で言うと、「いつ・どんな仕事を・誰がしたとき・どれだけの報酬が適正か」というギャップに対して、DyP(データを活用した報酬適正化の仕組み)で担保する役割を果たしていきたいと考えています。ハタラク人すべてに公正な報酬が届くような仕組みを、BLAMが作っていけると思っています。
木村: カイコクを通じて、本来なら出会わなかった企業とカイコクメンバー(マーケティング特化型複業マッチングサービス「カイコク」に登録する複業人材)が出会って、その人がジョインしたことで企業の売上が伸びた------という話が、私たちが把握していないだけで実はものすごくたくさん起きていると思うんです。そういう「縁をつなぐ」ことが結果的にポジティブな波及効果を生んでいます。ゼロから生み出したサービスが世の中に影響を与えていくのは、シンプルにすごいことだなといつも思いますし、メンバーみんなにも誇りを持ってほしいと感じています。
浅川: 木村さんが昔「詐欺師を撲滅したい」と言っていたんですが、実は個人的にすごく共感していて。何もないマッチング環境だと、経歴を盛ったり口が上手いだけの人が高い報酬でマッチングされて、企業側が傷つくケースが出てきます。私たちがちゃんと間に入って、定量では見えない信頼や実績を積み重ねた情報を活用することでミスマッチをなくしていきます。そうすることで、口下手でも誠実に向き合ってきた人がちゃんと評価される仕組みを作っていきたいと思っています。それが最終的に、誠実に働く人が正しく報われる社会につながっていくと思っています。
木村: グーチョキパーのバランスがすごく好きなんです。グーの人ばかりが集まっていたら、時代がパーに変わった瞬間に一気に負けてしまう。BLAMには今PjTOやプロデューサーという強い「手」がありますが、それだけじゃなく、BLAMにまだない新しい風を吹かせてくれるような個性の人が入ってくれると、みんな刺激を受けてワクワクするだろうなと思っています。いい人であることは当たり前の前提として、その上でBLAMに「新しい手」を増やしてくれる人と一緒に働きたいですね。
浅川: 採用面接でよく「どんな人を求めていますか」と聞かれるんですが、私の答えはシンプルで、「今いるメンバーと一緒にご飯やお酒を楽しそうに囲めるか」ということです。それを分解すると、仕事に前向きであること、成長意欲があること、マナーや相手を思いやる気持ちがあること------に行き着くんですけど、やっぱりそれが人生の幸福にも直結すると思っていて。そういう人たちと一緒に、大きいことをやっていきたいと思っています。
杉生: 逆に言えば、BLAMが大切にしている誠実さや仲間を思いやる姿勢------そこに共鳴できない方には、正直なところ向いていない環境だと思っています。だからこそ、同じ価値観を持てる人と一緒に働けることが、私たちにとって一番大事なことだと思っています。

杉生: シンプルに言うと、今の引退世代の方々が「日本は良くなっていくな」と希望を持って余生を過ごせるように。そして私たちの世代も、今の時代をベストで走りながら未来につなげていく。結果として、「また日本に生まれたい」と思えるような国にしていきたい。そのために、経済の側面でやれることを全部やります。インフラと呼ばれるような、常にそこに存在する会社になることが大事だと思っています。
木村: ベンチャーであり続けることがすごく重要だと思っています。AIの進化でいろんなサービスが生まれて消えていく中で、小さく挑戦して何が当たるかを見つけていくやり方はますます重要になります。IPOはゴールではなく途中経過で、その先にまた私たちが今は思いついていない新しいプロダクトやサービスを生み出していく必要があります。年齢関係なく「それやってみようよ」と言い合えるメンバーと、今ないものを作り続けていきたい。それがワクワクするんですよね。
浅川: 本当に大変なことをやり遂げた後に飲むお酒が一番美味しいので、それをみんなで飲みたいですね。
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